梨の果樹園農家による梨の育て方や病害虫に関する防除。使用する農業機械のメンテナンス。ナスやきゅうり等の家庭菜園の園芸方法など、農業に関する作業方法や管理方法、また果樹園を管理するための防風林等の農業設備等を日々の作業に合わせて詳しく紹介しています。

梨の着果率がチオノックフロアブル(トレノックフロアブル)で低下。満開日と受粉作業日の使用はさける。

 チウラム剤の商品名:チオノックフロアブルとトレノックスフロアブル。
 春先の梨等の防除において、黒星病と心腐れ症に重要や薬剤です。しかし、花粉の発芽に影響を与えるため、着果率が低下する副作用が確認されています。


有効成分:チウラム40%
 種 別 :保護殺菌剤
 商 品 名:チオノックフロアブル と トレノックスフロアブル

 同剤は安価かつ耐性菌リスクが小さく、梨の効果では、黒斑病、黒星病、赤星病、心腐れ症(胴枯病菌)、炭疽病、褐色斑点病。
 春先の防除においては、黒星病と心腐れ症の防除に重要や薬剤です。

 その安価な点。耐性菌の問題から特別な防除効果が大きくなくとも、管理人も使用する薬剤の一つです。


 しかし、千葉の研究データの結果、花粉の発芽率が低下する影響が確認されている他、この影響で授粉作業日当日に散布を行うと、着果率が低下するというデータが公表されています。


 チウラム剤の散布により着果率が低下するとはいえ、大きく影響を受けるのは受粉日当日のみ。
 よって、人工授粉を実施した日。または自然授粉が最も盛んな満開日を避けることが重要。
 たった一日(翌日や前日)散布日が異なるだけで、影響はほとんどみられない結果となっています。
 一日の違いで大きな差があるのであれば、これを念頭に散布日は慎重に選ばなければなりませんね。

・花粉の発芽率の影響
 チオラム剤を散布:発芽率13.0%
 水(対照):85.5%
 チアジノン:60.0%


・人工授粉前後のチオラム散布が結実に及ぼす影響
 試験年 2011年
 散布2日前 84.2%、散布前日 86.5%、散布当日 59.7%、散布1日後 89.1%

 試験年 2012年
 散布2日前 92.5%、散布前日 90.8%、散布当日 84.6%、散布1日後 95.1%


 詳しくは、果樹栽培ナビ > 梨の病気被害と対策 > 黒星病
 > ナシ黒星病 病原菌 対策資料集