梨の着果率がチオノックフロアブル(トレノックフロアブル)で低下。満開日と受粉作業日の使用はさける。
チウラム剤の商品名:チオノックフロアブルとトレノックスフロアブル。
春先の梨等の防除において、黒星病と心腐れ症に重要や薬剤です。しかし、花粉の発芽に影響を与えるため、着果率が低下する副作用が確認されています。
種 別 :保護殺菌剤
商 品 名:チオノックフロアブル と トレノックスフロアブル
同剤は安価かつ耐性菌リスクが小さく、梨の効果では、黒斑病、黒星病、赤星病、心腐れ症(胴枯病菌)、炭疽病、褐色斑点病。
春先の防除においては、黒星病と心腐れ症の防除に重要や薬剤です。
その安価な点。耐性菌の問題から特別な防除効果が大きくなくとも、管理人も使用する薬剤の一つです。
しかし、千葉の研究データの結果、花粉の発芽率が低下する影響が確認されている他、この影響で授粉作業日当日に散布を行うと、着果率が低下するというデータが公表されています。
チウラム剤の散布により着果率が低下するとはいえ、大きく影響を受けるのは受粉日当日のみ。
よって、人工授粉を実施した日。または自然授粉が最も盛んな満開日を避けることが重要。
たった一日(翌日や前日)散布日が異なるだけで、影響はほとんどみられない結果となっています。
一日の違いで大きな差があるのであれば、これを念頭に散布日は慎重に選ばなければなりませんね。
・花粉の発芽率の影響
チオラム剤を散布:発芽率13.0%
水(対照):85.5%
チアジノン:60.0%
・人工授粉前後のチオラム散布が結実に及ぼす影響
試験年 2011年
散布2日前 84.2%、散布前日 86.5%、散布当日 59.7%、散布1日後 89.1%
試験年 2012年
散布2日前 92.5%、散布前日 90.8%、散布当日 84.6%、散布1日後 95.1%
詳しくは、果樹栽培ナビ > 梨の病気被害と対策 > 黒星病
> ナシ黒星病 病原菌 対策資料集