スコア顆粒水和剤とチオノックフロアブル混用による黒星病防除の耐性菌対策と芯腐れ症対策を試しました。
梨の満開が過ぎ、黒星病防除の効果向上と耐性菌リスク対策。
また、芯腐れ症対策を兼ねてスコア顆粒水和剤とチオノックフロアブルの混用による防除を始めて実施しました。
スコア顆粒水和剤はミツバチに影響がなく、黒星病に非常に効果が高いDMI剤。
チオノックフロアブルは黒星病・芯腐れ症に効果がある有機硫黄系剤。耐性菌リスクが小さい一方、散布当日は受粉等による結実しなくなる薬剤です。
粗方の受粉を終えた花の満開後の殺菌剤の混用によおいて、非常にメリットが大きい組み合わせです。
本職の梨農家にとっての黒星病の防除では、
スコア顆粒水和剤は耐性菌リスクの懸念。
チオノックフロアブルは効果が程々だが耐性菌リスクが小さい。
芯腐れ症の防除では、
スコア顆粒水和剤は効果がない。
チオノックフロアブルはある程度の効果。
どちらも一長一短です。
管理人はこれまでスコア顆粒水和剤の混用では、グアニジン系のベルクート水和剤の混用を行っていました。
この混用では黒星病の耐性菌対策と防除効果が非常に高い反面、芯腐れ症に対する効果がないため、開花後から幼果期の防除で使用し難い面がありました。
今回のチオノックフロアブルとの混用では、
黒星病に対する防除効果についてベルクート水和剤の混用と比較して若干低下する見込である一方、それでも単剤と比較して効果が高く、また別系統による異種系統による効果により耐性菌対策。
また、芯腐れ症に対する効果が期待できることから、幼果期の防除でかなり使い易くなりました。
既に一部の地域で用いられている混用事例であることから、今後も良い混用事例について情報を集め、取り入れていきたいと思います。
スコア等のDMI剤の混用事例については、
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