枯れた杉の木の伐採により防風林の入れ替えを行いました。
果樹園を長らく守っていた防風林の杉の木。
後継となるサンゴ樹が成長したことから、巻き枯らしにより枯らせた杉の木を伐採し、本格的な入替作業を行いました。
枯れた杉の木は水分を失い軽いため処分が楽となる反面、伐採により倒木させることが難しくなるため、慎重な作業が必要です。
杉の木はもともと根が浅く、これが大きく成長し、更に枯れてしまった杉の木は放置すると倒木し易く大変危険な状態です。
しかし、倒木し易く危険でありながら、意図的に伐採作業で倒木させようとしたときは、自重が生木に比べて軽く、倒木作業は難しくなります。
生木と同じようにチェンソーで切込みをいれたも傾かないため、
倒れるまで切込みを入れた結果、「つる」といわれる蝶番の役割をはたす切らずに残す繋がった部分まで切断し、予想外の方向に倒れるなど事故に繋がりやすくなります。
今回の伐採作業でも、真っ直ぐに伸びて傾きのない杉の木に関しては安全を考慮し、チルホールと言われるハンドウインチを使用し、「つる」をしっかり残してウインチの力で倒木させる方法で作業を行いました。
ウインチを使用すると作業の手間が増える一方で、特に枯れた大きな木の伐採では倒木方向を定めるために力を発揮することが出来ます。
枯れた杉の木の伐採では、このように手間が増える一方で次のようなメリットもあります。
・葉が落葉して体積が少なくなる
枯れる過程で葉や細い枝が落葉し、伐採後の体積が小さく処分が容易になります。
・枝が固くなり処分時に枝を折りやすくなくなる
枝が乾燥によりしなりがなくなるため、倒木などの衝撃により折れやすくなり、処分のための枝打ち作業が大幅に軽減されます。
・乾燥により軽くなる
枯らした伐採の最大のメリットは、枯れて乾燥した木の重量が軽くなる点です。単純に水分含有率が減ることで重量が3割減少し、搬出などの処分作業が大きく軽減されます。
・焼却処分が軽減される
水分の多い生木は、野焼き等で燃え難く、また、焼却時に多量の煙が発生します。
枯れて乾燥することにより、燃えやすく、煙が少なり、そのまま暖炉の薪等にも再利用することができます。
単純に切り倒すだけなら生木のままが作業し易く、後の処分を考えたら枯らしての伐採がおすすめです。
今回の作業で枯れた杉の木を伐採したことで、後継となるなるサンゴ樹の日当たりが改善し、成長により早く十分な防風林としての効果が得られるよう期待したいです。
木の伐採については、
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