梨の芯腐れ症防除の反省点と翌年の防除方針 2017年版
2017年の幸水梨の収穫では、梨の芯腐れ症が何点か発見されました。
本年の芯腐れ症防除では、例年チオノックフロアブル(トレノックフロアブル)とデランフロアブルを用いるところ、
デランフロアブルは黒星病の効果が低いことから、チオノックフロアブル(トレノックフロアブル)とファンタジスタ顆粒水和剤を用いました。
結果として、芯腐れ症についての防除効果は特別悪くはないものの、ファンタジスタ顆粒水和剤の防除価がさほど高くないのでは?という感触。
防除体系について要改善が必要と思われる感触でした。
芯腐れ症になりやすい果実の特徴
・ていあ部に花かすが付着している果実
・ていあ部から果心につながる穴が大きい果実
この条件に着目すると、発症した多くの果実のこのどちらかの条件を満たしていることがわかりました。
特に発症した果実の多くが、ていあ部が深く凹んでいるものでした。
薬剤防除においては、
ファンタジスタ顆粒水和剤を加えても、デランフロアブル、ベンレート水和剤、トップジンM水和剤等を使用しない防除体系では、十分な効果を得ることが難しいと感じさせられる結果となりました。(管理人はこのほか、デランT水和剤を用いることもあります。)
但し、ファンタジスタ顆粒水和剤の防除価については、詳しい試験データ等が未入手のため、管理人の感触によるものです。
散布時期や天候など様々は影響あるため、薬剤効果によるものではない可能性も大きいです。
ファンタジスタ顆粒水和剤の芯腐れ症における試験データが待ち望まれます。
2018年の防除では、
芯腐れ症の効果の高いベンレート水和剤かデランフロアブル
黒星病に効果の高い薬剤を混用による防除体系を考慮したいと思います。
現在の候補では、
・ベンレート水和剤とチオノックフロアブル(トレノックフロアブル)
・デランフロアブルとベルクート水和剤 での混用を検討しています。
薬剤の価格を考慮すると、
ベンレート水和剤とチオノックフロアブル(トレノックフロアブル)が安く。
黒星病の薬剤効果を考慮すると
・デランフロアブルとベルクート水和剤 が大きな効果を期待できそうです。
ベンレート水和剤とチオノックフロアブル(トレノックフロアブル)の混用では、殺虫剤としてサイアノックス水和剤を加えた3種混用事例もあることから、防除体系に組み込みやすく、検討価値が高いです。
芯腐れ症は防除段階で効果を確認できないため、本年の反省点を今後に活かしていきたいものです。
芯腐れ症の防除については、
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