フロンサイドSCによるハダニと黒星病の防除を採用。刺激が強い薬剤のため使用には注意が必要です。
フロンサイドSCは果樹の土壌内の感染症。白紋羽病の防除薬として広く普及しています。
この薬剤は散布することにより、梨の黒星病、輪紋病の予防薬として効果があるだけでなく、ミカンハダニ等に対して殺卵や殺幼虫効果を有している優れて殺菌剤です。
梨の防除においてもハダニ類に対して効果が期待できる薬剤として、本果樹園では初となる防除を行いました。
梨のハダニ対する具体的な試験データがないためその効果は未知数。
過度の期待を出来るものではありません。
しかし、少なくともハダニ類の天敵であるカブリダニ類に対して、ほとんど影響がないことが確認されています。
このため、梨のハダニに対してマイナス効果ではありません。
他県の防除暦を参考に、ある程度ハダニに対する効果が見込めると判断してます。
当果樹園では、通常のハダニ類の防除を補う予防的な意味で使用を行いました。
フロンサイドSCの黒星病に対する防除価はさほど高くないものの、
残効性と耐雨性に優れています。
夏に向かい気温上昇に伴うハダニの増加と、梅雨時期の降雨が多い時期の防除に適しています。
フロンサイドSCの使用においては、皮膚かぶれがを起こしやすく、
薬剤の注意にも「摘果、袋かけのような作業を行う果樹では少なくとも7 ~ 10日間の期間をあけてください」と明記され、使用し難い薬剤です。
当果樹園でも時期的に摘果・袋かけ作業と重なるため、全面使用は出来ませんでした。
果樹園が分かれる区画で区切り、摘果・袋がけ作業中の果樹園は他の薬剤での防除を行いました。
今回の使用では残念ながら目視でハダニの繁殖を確認できる箇所がなく、直接の効果を確認することが出来ませんた。
今後、長期的にフロンサイドSCを使用した果樹園と使用しなかった果樹園の違いを注視したいと思います。
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