梨の春季防除に使用できるスクレアフロアブルと予防薬を混用することで防除効果の向上と耐性菌予防
梨の開花期などの春季防除で使用でき、黒星病に対して非常に効果が高いスクレアフロアブル。混用事例がないため、耐性菌リスクが高いことが非常に大きな懸念のある薬剤です。
しかし、混用効果のための試験での混用による防除効果が確認されていることから混用に問題がないようです。
混用により防除効果の向上が確認されただけでなく、異種系統の混用による耐性菌リスクの低下が期待できます。
確認できた混用試験結果では、
①スクレアフロアブル+ベルクートフロアブル
②スクレアフロアブル+トレノックスフロアブル(チオノックフロアブル)
黒星病の防除効果で単剤と比較し、①で約140%。②で約110%と向上。
更に②では、混用する予防薬により春季防除で重要となる芯腐れ症の同時防除も期待することが出来ます。
①②ともの異種系統の薬剤であるため、QoI 剤(ストロビルリン系剤)であるスクレアフロアブルの使用で最大の問題となる耐性菌の発生リスクも低下することを期待することができます。
スクレアフロアブルは比較的高価な薬剤ではありますが、耐性菌リスクを回避する方法が確立されれば防除効果が高いことから、今後基幹防除薬剤として防除暦への組み込みを検討しても良いかもしれません。
詳しくは、果樹栽培ナビ > 梨の病気被害と対策 > 黒星病 > ナシ黒星病対策専門資料
> ナシ黒星病のDMI剤の防除効果・残効性・耐性菌対策
ページ中ほどにスクレアフロアブルと予防薬の混用による効果を掲載しています。
ページ中ほどにスクレアフロアブルと予防薬の混用による効果を掲載しています。