梨の果樹園農家による梨の育て方や病害虫に関する防除。使用する農業機械のメンテナンス。ナスやきゅうり等の家庭菜園の園芸方法など、農業に関する作業方法や管理方法、また果樹園を管理するための防風林等の農業設備等を日々の作業に合わせて詳しく紹介しています。

2023年10月インボイス制度が開始。法人取引がある中核農家も対応に迫られそうです。

 2023年10月1日、インボイス制度が始まります。
 現在、多くの中核農家が年間の課税売上高が1,000万円以下の免税事業者にあたるため、農家であっても直売などで法人と多く取引している場合、課税事業者になるかの判断に迫られます。

 インボイス制度開始され影響を受ける農家:
 ・現在年間の課税売上高が1,000万円以下の免税事業者(農家)
 かつ
 ・直売等で法人や個人経営者等に対して販売が多い(法人等に対して請求書や領収書を発行する機会が多く相手が経費として処理されてるケース)
 これに該当する場合、農家であっても課税事業者にならないと相手方が仕入税額控除による処理ができないことから法人等の取引が減少する恐れがあります。
 課税事業者になることのメリット:
 ・法人等と従来通りの取引が期待できる。
 課税事業者になることのデメリット:
 ・現在免除されている消費税の納税が必要となるため、販売価格への消費税分の価格転嫁が必要となる。
 ・農家(免税事業者)直売による価格差による販売力が低下する。
 ・価格転嫁しない場合、採算が大きく悪化する
 
 インボイス制度開始され影響がない農家:
 ・農協や卸売り市場。その他販売行為の代行を通じて出荷している。
 ・直売等で個人を相手に販売している。
 現状と変わらないため、制度開始後も影響はないと思われます。
 制度開始後も経過措置がありますが、法人等の取引量が多い場合には課税事業者になることが必要かの選択に迫られます。
 当方の果樹園でも、法人等の顧客も一定数あるためインボイス制度開始は足枷となりそうです。
 幸いにも開始が梨の販売シーズンをほぼ終えている2023年10月1日となるため、2023年の対応は不要と思われますが2024年からの販売で影響が大きくありそうです。
 仮に課税事業者になるとすると、党果樹園では全体の販売量に対して法人等は売り上げはごく一部。
 その一部のために全体に対して値上げを行うことが必要となるため、これまで贔屓して頂いた多くの方々に対して申し訳ない事態となりそうです。
 このため、当面は現状通り免税事業者として経過を観察する予定。
 従来から取引して頂いている法人等に対しては、事前に確認し理解を得られるよう善処するつもりです。
 インボイス制度について見解は様々であると思いますが、一農家からすると競争力の弱い個人が、これまで販売のために積み上げてきた努力を無駄にさせるようなものであり、販売の開拓に力を入れていたならばそれだけ辛い思いを抱かせる制度ではないかと感じさせられます。

 どのような対応が良いのか、今後の動きに注意したいと思います。