苦土石灰はアルカリ分が少なく緩やかに効果が出るため、すぐ植えることが出来ます。
春となり果樹園に苦土石灰を散布しました。土壌のPH調整に用いられる主な石灰肥料には効果の強いものから消石灰、苦土石灰、有機石灰の3種類があり、消石灰よりアルカリ分が少ない苦土石灰は散布直後でも良く土に混ぜれば植物への影響が少ないことからすぐに植え付けることが出来ます。
しかし、苦土石灰の肥効を得るには1~2週間程度必要となり、可能であれば散布後1~2週間程度間をあけて植え付けや種まきをすることが理想となります。
主な石灰肥料である消石灰、苦土石灰、有機石灰のアルカリ分はそれぞれ60%以上、50%以上、40~45%。
アルカリ分が大きいほどPH調整力が高いですが、散布後に激しく反応するため植物に害を与えます。
このため、消石灰では散布後2週間以上間をあけて植え付けをする。
苦土石灰では良く土に混ぜることですぐに植え付けすることも出来ますが、出来れば1週間以上間をあける。
有機石灰では追肥など、植え付け後でも使用できる。など、使い方が異なります。
特に消石灰は即効性に対して、有機石灰は遅効性であり、効果の強弱だけでなく効果が表れる時間が大きく異なります。
また、苦土石灰はマグネシウムを含みマグネシウム欠乏による落葉を解消する。有機石灰は土壌の通気性や水捌けを改善するなど、石灰肥料でも単にPH調整の役割以外の効果を得ることが出来ます。
石灰肥料を選ぶときは、植え付ける作物の最適土壌pHを把握し、現状の土壌PHとの乖離による必要となるアルカリ分の量。前年の異常落葉の有無、土壌の硬さ(通気性、水捌け)を考慮して使用できると最大の効果を得ることが出来ます。
石灰の使用については、
果樹栽培ナビ > 果樹の栽培方法(梨の育て方) > 農業の土づくり
> 土壌改良1(石灰の使用)
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土壌pHの確認方法については、
園芸栽培ナビ > 園芸の栽培方法(準備編)
> 土壌ph測定器によるph測定と調整方法
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