小張線は強く張り過ぎると不必要に周囲ワイヤーに負荷をかけるため必ずシメールなどの張線器を使用する必要はありません。
果樹棚に細かく張る小張線は数も多く間隔も狭く張ります。小張線1本当たりの長さにもよりますが、全ての線にシメール等の張線器を使用すると手間がかかるだけでなく、固定する周囲ワイヤーへの負荷が大きくなることでアンカーの浮き上がりなど全体の緩みに繋がることもあります。
このため、周囲柱の間隔や線の長さなどを考慮してペンチ等の梃の力で張れる強度で十分な場合が多いです。
果樹園が長方形の場合、長辺の小張線と短辺の小張線では張るために必要な力加減が変わってきます。
長辺では手で力を加えてもきちんと張ることが出来ない場合には張線器が活躍します。しかし、短辺であれば手張り程度で丁度良い場合もあります。
当果樹園では長辺が150m程あるため手で張っても力が足りないため張線器を使用します。
一方で短辺は40m程のため長辺に比べて張る力は少なくて済みます。しかし、本数が多いため周囲ワイヤーには大きな負荷を与えています。
果樹棚を支えているのは幹線であり、小張線はこの幹線を縫うように張っているため強く張っていれば良いのですが全体のバランスが大切です。
特に周囲ワイヤーが小張線の張りにより内側に大きく歪んでいる場合には、周囲ワイヤーの張りや周囲柱、アンカー等の強度に対して過剰に力が加わっているからです。
バランスが悪く周囲ワイヤー等が支えることが出来ない強さの張りは、結果として果樹棚全体の緩みへと繋がります。これを防ぐためにはあえて小張線は程々の強さに張ることも重要な力加減です。
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