梨の果樹園農家による梨の育て方や病害虫に関する防除。使用する農業機械のメンテナンス。ナスやきゅうり等の家庭菜園の園芸方法など、農業に関する作業方法や管理方法、また果樹園を管理するための防風林等の農業設備等を日々の作業に合わせて詳しく紹介しています。

肥料と石灰を同時に使用できないため、先に石灰肥料を散布し土に馴染ませます。

りん片が脱落した花芽
 春となり果樹園では土づくりのため苦土石灰肥料の散布を行いました。
 肥料の使用では、化成肥料や養分の多い堆肥と石灰肥料は同時に使用することが出来ません。基本的に先に石灰肥料を使用します。
 また、単に石灰肥料といっても土の状態や求める効果により消石灰や苦土石灰、有機石灰により異なり、肥料による植物への害も異なります。

 果樹園では既に果樹の花芽が膨らみ、りん片が脱落して芽吹いています。
 休眠期である冬季と異なり、春となりりん片が脱落した花芽は敏感な時期となっています。
 化成肥料や石灰肥料の使用では、散布時の肥料粒や飛散した粉がりん片が脱落してた花芽等に付着すると肥料による害が発生します。
 このため、通年して行う果樹栽培の肥料散布では、散布方法や散布時の天候。また、使用する石灰の種類にも注意が必要となる場合があります。
 特にりん片が脱落し芽吹いた後の使用では、アルカリ分の特に強い消石灰による害が発生することがあり、花芽に付着しないよう注意が必要です。
 付着する原因としては、散布方法が悪く花芽にかけてしまうというだけでなく、風により散布時に発生した粉が舞う。石灰の形状が粉であると作業時に舞いやすいなどの原因があげられます。
 これを防ぐためには、散布方法を気を付けるだけでなく、散布時天候は風の弱い日に行う。形状が粉ではなく粒の物を使用する。(粒の方が価格は割高となります)
 状況によっては、消石灰でなく害の少ない苦土石灰や有機石灰に変更するなどの方法があります。
 また、石灰と肥料を使用する期間をあけて同時に使用しないことも大切です。
 目安として消石灰で10日以上。苦土石灰で7日以上ですが、石灰肥料使用後の土壌への攪拌状況や降雨状況により異なります。
 石灰と肥料を同時に使用すると、石灰の中和作用が損なわれるだけでなく、化学反応により肥料の重要な養分である窒素が気化して土壌に定着せず肥効が低下します。
 また、気化したガスにより既に作物が植えられている場合には葉が変色するなどの害を与えるなど注意が必要です。
 石灰肥料の使用については、
 果樹栽培ナビ > 果樹の栽培方法(梨の育て方) > 農業の土づくり
 > 土壌改良1(石灰の使用)