デランフロアブルとマシン油剤を混用すると耐雨・残効性が向上し黒星病に対する防除効果が高まる。
蕾も膨らみ前日より春の防除を開始しました。当果樹園の地域で春先の防除開始頃に使用する機会の多い薬剤の一つにデランフロアブルがあります。
デランフロアブルを春先に使用する時、発芽前の使用であれば単剤で使用するよりもカイガラムシなど難害虫の駆除を目的としたマシン油剤と混用することことで黒星病に対する防除効果が高くなります。
デランフロアブルは梨の防除では開花から幼果期に用いることで幸水梨等の芯腐れ症に高い防除効果を得ることができます。当果樹園では、黒星病よりも芯腐れ症に対する重要薬剤のという位置づけです。
一方、当地域では春先の最初の防除組み込まれ主に黒星病防除を目的とした防除として用いられています。
他の地域を防除暦を見ても後者が主流のようです。
黒星病防除を目的に春先に使用する時、休眠期(発芽前)の使用であれば マシン油と混用して用いることで耐雨性が残効(残留)が高くなる。また、その後の慣行防除を行った比較で発病数が低下し防除効果が高くなったと試験データが示されています。
所感として休眠期(発芽前)の殺菌剤の使用は、実際に黒星病に効果あるのか自体が懐疑的でした。しかし、試験データが示すように実際に効果があるのですね。
また、混用することでその効果が高くなるということは、コストの問題からこれまで休眠期に殺菌剤を加用することに躊躇いがあっただけに非常に有益な情報だと感じます。
この情報、知らなかったのは当果樹園だけでなないと思いホームページ・ブログで取り上げてみました。
なお、デランフロアブルはここ数年で値上がりが大きい薬剤の一つです。このため当果樹園ではコストの問題で現在は使用を控え中です。
値上がり前までは春先の基幹防除の薬剤として一時入手困難な年を除いて毎年使用していました。現在は他の薬剤の価格と比較して今後の使用を検討段階です。
今回の情報はマシン油剤を用いる時、加用する候補として大きな参考となります。
詳しくは、
果樹栽培ナビ > 梨の病気被害と対策 > 黒星病 > ナシ黒星病対策専門資料 > ナシ黒星病の予防薬の防除効果・残効性・耐性菌発生リスク一覧表
芯腐れ症防除については、
果樹栽培ナビ > 梨の病気被害と対策 > 梨の果肉が茶色など変色する主な症状 > 芯腐れ症 > 梨芯腐れ症の予防と対策方法