梨の果樹園農家による梨の育て方や病害虫に関する防除。使用する農業機械のメンテナンス。ナスやきゅうり等の家庭菜園の園芸方法など、農業に関する作業方法や管理方法、また果樹園を管理するための防風林等の農業設備等を日々の作業に合わせて詳しく紹介しています。

農機具の保管方法は機械の寿命を延ばし、春先のトラブル予防にとても大切です。

農機具の保管方法
 冬季など農業機械を使用しない長期保管では、不適切な保管方法により錆による腐食。ゴムパーツの劣化・硬化。燃料タンクの水分の混入。バッテリーの放電。エンジン(燃料)がかぶることによる始動不良など、様々なトラブルを引き起こし、多額の修理費の発生や農業機械の寿命の縮める大きな原因となります。
 春先のトラブルを防止し、機械寿命を延ばすために冬前の片付けと保管方法が大切です。

 冬季になり1年活躍した農業機械も役目を終えた機械から順に片付けの時期となりました。
 農業機械は冬季の長期間に全く動かさないことで、障害が徐々に進行し、翌年のトラブルや機械寿命を縮める大きな原因となります。
 立派な倉庫での保管や丁寧ね整備が行えなくても、最低限の手入れを行い片付けておくことが大切です。

・主な最低限の手入れ
・清掃
 農業機械付着した土は、機械の錆。タイヤ・クローラの劣化の原因となります。泥を落とし出来れば水道水で洗います。
・機械の乾燥
 機械に残る水分は錆の原因となります。水分は完全に乾かし、夜露等で再び濡れないようにします。
 既に冬季で乾き難い時は、除湿機や送風機等で使用して完全に乾くようにします。
・燃料の補給。又は燃料を抜く
 燃料タンク内に隙間があると、タンクの内側の錆の発生や、温度差により空気が入れ替わりタンク内で空気に含まれた水分が結露して燃料に混入します。
 燃料タンク内は軽油なら満タン状態。ガソリンでは満タンか完全に抜いて空にします。(満タンにするのが手軽でお勧めです)
・キャブレター内の燃料抜き(ガソリンエンジン)
 燃料コックを閉じてガス欠でエンストするまでエンジンを運転します。
 キャブレター下にある燃料ドレインを開き、キャブレター内の燃料を抜きます。
 刈払機などの小型エンジンでは、燃料タンクを逆さまにするなどして可能な限り燃料を抜きます。
・リコイルスターターを引き、重くなった状態でとめる
 リコイルスターター内部での固着防止にエンジン内部が圧縮された状態にしておきます。
・クラッチの固着防止
 トラクターなどクラッチがある機械では、クラッチを踏み込んだ状態で固定しておきます。機械に固定できる専用の金具やフックがついています。
・タイヤのエアー補給
 タイヤの変形やひび割れ防止に適正空気圧まで空気を補充します。
・錆止め、注油
 グリススプレーやオイルスプレー。塗料による錆止めと注油を行います。
 難しく考えずに塗膜が剥がれた個所や錆びやすいところ。可動部にグリススプレーを使用するだけでも良いです。
・バッテリーの充電と端子の取外し
 バッテリーを十分に充電し、マイナス端子を外します。
 端子を外さない場合は月に1回程度エンジンを始動して補充電を行います。
・油圧の負荷をなくす
 トラクターのロータリー等を下げ、油圧による負荷がかからない状態にします。
 春先にある農業機械の始動トラブルの多くが、バッテリーとエンジン(燃料)かぶりです。
 初めてチャレンジする場合でも、最低限バッテリーのマイナス端子外しと、キャブレター内の燃料抜きを行うと劇的にトラブルが減るのでぜひ試してみて下さい。
 詳しくは、
 農業機械メンテナンスナビ>共通メンテナンス項目