梨の果樹園農家による梨の育て方や病害虫に関する防除。使用する農業機械のメンテナンス。ナスやきゅうり等の家庭菜園の園芸方法など、農業に関する作業方法や管理方法、また果樹園を管理するための防風林等の農業設備等を日々の作業に合わせて詳しく紹介しています。

土壌酸度を簡易測定を行い苦土石灰を使用した土作りを行いました。PH値が酸性に傾くことは問題ですが、アルカリ性にまでなることも大きな問題となります。


 春の元肥を前に石灰肥料を使用した土壌改良による土作りを行いました。

 散布前に土壌PH計による簡易測定を実施。

 複数の測定地点でPH値は6.0~6.5でありやや酸性傾向。植物に適したPH値となるよう、過度にアルカリ方向にならないように注意した量を散布します。


 春の土作りの土壌改良のための石灰肥料の散布では、

 有機石灰以外の消石灰や苦土石灰肥料の不足だけでなく、過多にも注意が必要です。

 土壌のPHでは、酸性土壌となった障害が注目されがちです。

 しかし、石灰肥料の過多によりPH値が中性を超えてアルカリ性となると、一部の植物を除き生育に障害ででます。

 特に一度アルカリ性となった土壌では、中性方向に中和することが難しいため特に注意が必要です。

 通常、園芸を続けると土壌は酸性方向に傾くため、石灰肥料の使用量について特別難しく考える必要がありません。

 しかし、散布前に簡易測定を行いPH値を確認しておけばより間違いなく散布することができます。

 今回、散布前に土壌ph測定器により複数の測定地点でPH値を測定したところ、PH値は6.0~6.5。

 平均するとPH6.2程度と例年並みとなりました。

 梨の果樹に適したpH値は5.5~6.5と弱酸性を好みます。

 石灰肥料を使用していない状態でほぼ最適pH値にあり、極論を言えば石灰肥料を使用しなくても生育に支障ない状態にあります。

 とは言え、石灰肥料を使用できる時期は春までの元肥の時期。

 春先のpH値が栽培適していても一年間の生育過程で酸性方向に傾くため過度にならない程度に石灰肥料を使用しました。

 使用する石灰肥料はアルカリ分が強すぎず、マグネシウムを補給できる苦土石灰。

 使用量についても例年と同程度となりました。

 ph値が大きく変動していれば使用量の変更や消石灰等への変更などの対応も検討しなければなりませんが、例年通り深く考える必要がない結果で安心しました。

 pH値が気になる場合、測定器がホームセンターにも市販されているため一度試してみると良いかもしれません。



 果樹栽培での石灰使用については、
 果樹栽培ナビ > 果樹の栽培方法(梨の育て方) > 農業の土づくり

 > 土壌改良1(石灰の使用)



 土壌酸度計の使用方法等については、
 園芸栽培ナビ > 園芸の栽培方法(準備編)

 > 土壌ph測定器によるph測定と調整方法