スピードスプレーヤーを使用した農薬散布は、極端な付着の偏り(散布斑)が発生します。
防除暦において適正な薬剤散布を実施しても病気等の被害が多く発生することがあります。
周囲の農家を含めて発生する地域的なものでは天候等によるものです。
しかし、同じ薬剤を同時期に使用しても自身の農園のみで発生しているのであれば、薬剤散布において大きな斑があることを認識せずしているのではないでしょうか?
薬剤散布における農薬定着を確認する時、
オキシラン水和剤は、薬剤成分の色が濃く、希釈濃度の濃い定着確認に最適な薬剤です。
今回、梨の赤袋を使用した直後のオキシラン水和剤の散布であったため、果樹園内は薬剤定着を目視しやすい状況にありました。
そこで、スピードスプレーヤーの走行状況と相対距離に関する薬剤定着を実際の状況(写真)で紹介しました。
実際の付着(定着)状況を写真で見ることで、
・散布の偏りがどれほど大きいのか
・どこ位置に薬剤がかからないのか
・散布の都度SS進行方向を変えることの意味
これらを実感することができます。
また、ホームページで紹介しきれませんが、
同じSSの走行経路であっても、列(樹間)の中央を走行するのと、列(樹間)の端を走行するだけであっても大きな差が生まれます。
更に風の影響。
果樹の葉の密度。
徒長枝の先端などの薬剤付着など。
SSの走行速度や風量なども必要に応じて対応させる必要もあり、突き詰めると奥の深い作業です。
一昔前は黒星病の異常発生などの例外的な年を除き、薬剤を大量に散布するだけで簡単に防げました。
しかし、黒星病の防除が年々難しくなるなか、薬剤散布作業はその効果を十二分に発揮できるよう心掛けておかないと、何れ防除が困難になるかもしれませんね。
紹介したページ:果樹栽培ナビ > 梨の病気被害と対策 > 黒星病
> ナシ黒星病対策専門資料
> スピードスプレイヤーによる効果的な防除方法
> 農薬の付着(定着)の状況