梨の芯腐れ病情報を追加。効果が高い薬剤に有機銅水和剤と、効果がない薬剤を記載。

　梨の収穫時に見た目で判断できない芯腐れ症は、販売後に切ってみると内部から腐敗している症状です。

　直売等の販売において、芯腐れ症の果実が混じると信用問題にかかわるため、非常に困った病気です。

　この芯腐れ症を防止するため、薬剤防除に関する情報を追記しました。

　今回追加した情報では、

　芯腐れ症に効果の高い薬剤として、キノンドーフロアブル・ドキリンフロアブル等の有機銅水和剤を追加しました。

　また、

　黒星病等で使用する薬剤で効果ないと確認されている薬剤。

　多少効果があったとされる薬剤を追加しました。

　芯腐れ症の主な原因は胴枯れ病菌。

　胴枯れ病菌に効果がある有機銅剤が芯腐れ症に効果があるのは本来当然ですが、これまで具体的な試験データ等を見ることがあり用いてきませんでした。

　今回、防除効果に関する研究内容を発見できたことから薬剤一覧表に追加しました。

　効果としてチオラム剤（チオノックフロアブル・トレノックフロアブル）と同等の効果が期待できそうです。

　芯腐れ症の防除では、

　薬剤防除で効果ある時期が開花時期から幼果時期と非常に短く、予防がとても難しい症状です。

　薬剤防除では、この短い期間において効果的に行うため、薬剤情報は非常に重要となってきます。

　更に効果が確認される限られた薬剤の中で、黒星病等の防除を両立させることは困難極まりありません。

　しかし、販売品に芯腐れ症の果実が混在することがないよう、参考になれば幸いです。

　なお、家庭での果樹栽培などで農薬に頼らない方法として、摘果作業において心腐れ症になりやすい果実を除去する方法があります。

　予め心腐れ症になりやすい果実を除去しておくことで芯腐れ症の発症を減らします。

　この他、果実が熟すと発症するため、梨の実を早もぎすることでも発症を減らすことが出来ます。

　詳しくは、「梨芯腐れ症の予防と対策方法」のページで紹介しています。

　更新したページ：果樹栽培ナビ > 梨の病気被害と対策 > 芯腐れ症

　 > 梨芯腐れ症の予防と対策方法

　　> 心腐れ病に効果のある薬剤