果樹栽培で下草を残すことで土着天敵が繁殖しますが、実際に行うと課題が多い対策です。
果樹栽培で何も考えずに除草を行わずに下草を残してみると、様々な雑草がはえるため成長が早く丈が長い草が果樹棚等にすぐに到達し大きな障害になります。
更にハダニは別として他の害虫防除の障害となるなど影響は様々です。
下草を残す草生管理を取り組むには事前準備や、代替えとなる対策の検討が必要となります。
果樹で活用する土着天敵は、ハダニ類を捕食するカブリダニ類です。
カブリダニ類は主に下草で繁殖し、ハダニ類と比較して繁殖力低い。薬剤に対する感受性が高い。乾燥に弱いなどの特徴があります。
このため、意図的にカブリダニ類が繁殖できる環境を整えることが必要であり、下草を残す草生管理は繁殖できる環境作りです。
管理人が実際に下草を残して問題となった点としては、
・雑草にセイタカアワダチソウ等が成長が早く丈が高くなるため大きな障害となった
・夜蛾類(吸蛾類)の薬剤防除の際、下草が防除を妨げた
・シンクイムシ類成虫の薬剤防除の際、下草が防除を妨げた
発生した問題の内、雑草についてはカバープランツとしてクローバーの種を撒くことで草丈の管理を行うことが出来ました。
しかし、特に大きな問題として残ったのはシンクイムシ類の駆除です。シンクイムシ類による被害は、地球温暖化の影響か年々深刻となり被害が増えています。
このシンクイムシ類防除を殺虫剤による薬剤防除を主体とする場合、下草を残す弊害は大きいものとなりました。
これら問題や対策についてを紹介しました。
詳しくは、果樹栽培ナビ > 果樹のハダニ類防除