梨の果樹園農家による梨の育て方や病害虫に関する防除。使用する農業機械のメンテナンス。ナスやきゅうり等の家庭菜園の園芸方法など、農業に関する作業方法や管理方法、また果樹園を管理するための防風林等の農業設備等を日々の作業に合わせて詳しく紹介しています。

梨の黒星病防除にカナメフロアブルを初使用。耐性菌リスクを考慮した別系統の混用や計画的な使用が求められます。

カナメフロアブル
 約1週間前の4月下旬、梨の幼果や幼果や根元に黒星病の病斑を確認したことから、効果が高いとされるカナメフロアブルを当果樹園で初めて使用しました。
 当果樹園で初使用ということもあり、その効果はてきめん。病斑がピタリと止まったようです。
 カナメフロアブルは効果高い反面、耐性菌リスクも大きいため、高い効果が何年も続くよう防除体系の計画性を持つこの大切さを感じさせられます。

 梨の黒星病防除では、特効薬であったDMI剤の効果が低下するなどその防除の難しさは年々厳しいものとなっています。
 これを肌で感じている梨農家は多いかと思いますが、未だ耐性菌リスクを考慮しない薬剤の乱用を繰り返す同業者が存在することは頭が痛い問題です。
 近年登場したカナメフロアブルは、効果が高いという情報が先行し、その耐性菌リスクについての話題は効果に比べて小さいことから耐性菌による効果の低下が起きないか気になるところです。
 当果樹園で実際に使用したところ、その効果はDMI剤が登場し始めたころのようにピタリと病斑が停止。素晴らしいものでした。
 故に、同系統の薬剤乱用による効果が低下しないよう、少しでも周知が図れるよう話題としして取り上げることにしました。
 カナメフロアブルと同系のSDHI剤としては、
 アフェットフロアブル、オルフィンフロアブル(既に販売終了)、フルーツセイバー など。
 SDHI剤を含む農薬としては、
 アクサーフロアブル(SDHI剤+DMI剤)、ナリアWDG(QoI剤+SDHI剤)、オルフィンプラスフロアブル(DMI剤+SDHI剤) など。
 使用回数等の注意としては、SDHI剤合算にて年間2回以内(単剤使用で2回以内。別系統の殺菌剤と混用することで3回以内)の使用とされています。
 当果樹園では、今回カナメフロアブルを使用したため手元にあるフルーツセイバーは使用を見合わせ来年分の在庫に変更。
 本年中は梅雨時期にアクサーフロアブル(SDHI剤+DMI剤)、ナリアWDG(QoI剤+SDHI剤)、オルフィンプラスフロアブル(DMI剤+SDHI剤)の内、薬剤の有効期限を見たうえでどれか1種類だけ使用することに変更する予定です。
 効果や耐性菌リスクのため、別系統の殺菌剤混用による試験データの公表が待ち望まれます。
 カナメフロアブルの混用事例について、
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