梨の果樹園農家による梨の育て方や病害虫に関する防除。使用する農業機械のメンテナンス。ナスやきゅうり等の家庭菜園の園芸方法など、農業に関する作業方法や管理方法、また果樹園を管理するための防風林等の農業設備等を日々の作業に合わせて詳しく紹介しています。

カメムシ類のおすすめ農薬はテルスターやアルバリンの系統が残効性があり高い効果が期待できます。

カメムシ農薬の残効性
 2024年は全国でカメムシが多量発生。果樹栽培においても同様でカメムシ類の発生が多く、被害が心配されます。
 果樹園外から飛来するカメムシは、一度駆除しても次々と飛来するため多発年には残効性の有無が重要となります。
 また、一度飛来すると集合フェロモンを発して仲間を呼び寄せるため、飛来したことを見逃さずに早期防除が求められます。

 果樹栽培におけるカメムシ類の被害は、果実の落果と奇形果の発生。
 幸いにもカメムシ類は同じ果実に吸汁することが多く、被害が一部分に集中して果樹園全体に広がらない場合も多くあります。
 このため、局所的に大きな被害があっても気付かないこともあるため、果樹園全体に注意を払うことが必要となります。
 カメムシ類の防除では薬剤防除が基本。
 単に駆除するだけでなれば、有機リン系のスミチオン水和剤をはじめ多くの農薬で効果があります。
 しかし、毎日のように次々と飛来するカメムシに対して、早期防除のためにその都度繰り返し薬剤防除を行うことは現実的ではありません。
 このため、カメムシが多発した年ではより効果的に薬剤防除を行うことが重要となります。
 おすすめするテルスター水和剤をはじめとする合成ピレスロイド剤や、アルバリン顆粒水溶剤をはじめとするネオニコチノイド系殺虫剤は、単に直接の殺虫効果だけではありません。
 殺虫効果の他に吸汁抑制効果があり、殺虫・吸汁抑制効果共に残効性があります。
 吸汁抑制効果は、残効によりカメムシが駆除できなくても被害を軽減することができます。
 また、殺虫による残効は吸汁により被害が発生しても、カメムシを死亡させることができます。
 何れの残効性も1週間程度ですが、有機リン系殺虫剤のカメムシに対する残効が1~2日程度に比べるとその差は非常に大きなものとなります。
 カメムシの飛来が収まらない場合にはぜひ残効を意識した防除を検討下さい。

 ただし、合成ピレスロイド剤のテルスターやロディーなどはハダニ対しても効果が期待できる反面、非常に高価な薬剤です。
 コストを考えると残効性が失われやすい雨天前に防除を行うときは安価な有機リン薬剤を。晴れが続くときや、有機リン薬剤を使用して雨が終わった後に残効性が期待できるアルバリン顆粒水溶剤をはじめとするネオニコチノイド系殺虫剤を使用する。
 雨と晴れを繰り返し、降雨があっても残効性が必要な場合にのみ合成ピレスロイド剤のテルスター等の使用を検討するのが現実的かもしれません。
 なお、有機リン系殺虫剤であるスミチオン水和剤は、カミキリムシ類に対しては長い残効性があります。
 単に残効性といっても、対象となる害虫により同じ薬剤でも大きく異なる点に注意が必要です。
 カメムシ類に効果のある殺虫剤は、
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 カミキリムシに対する残効性については、
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 > カミキリムシ駆除の薬剤効果の残効性