カメムシ対策によりハダニ被害のリスクが増大。猛暑と天敵減少によるハダニの大発生に注意が必要です。
2024年はカメムシ類が全国で大量発生。
その対策としてカメムシに有効な殺虫剤による薬剤防除が多く行われています。
このカメムシ対策に用いられる殺虫剤により、ハダニ類の天敵であるカブリダニ類などの土着天敵が減少。また、日々の高温・猛暑によりハダニ類の活動が活発となり、ハダニの大量発生の懸念が増大しています。
ハダニ多量発生による被害は、発生年だけでなく翌年の葉芽にも影響を残す深刻なものとなります。
このため、カメムシ対策に注力するあまり、ハダニ対策が疎かになることがあってはなりません。
しかし、近年は高温によるハダニ類の発生リスクが大きく、同じく高温となった昨年(2023年)には殺ダニ剤による防除を例年より1回増やしたにも関わらず、一部多量発生(目視で確認できる程度)しました。
本年(2024年)は既にかなりの高温傾向により、周囲の梨の果樹園で既にハダニ被害が確認されています。
これに加え、カメムシ対策の殺虫剤としてテルスター水和剤(合成ピレスロイド剤)やスミチオン水和剤・乳剤(有機リン系)を例年にない使用をしているケースも多いかと思います。
飛来してくるカメムシの被害を防ぐための殺虫剤の使用では、その殺虫効果や残効期間。費用(薬剤単価)により選択は多くはありません。このため、ハダニ類の天敵であるカブリダニ類に対する影響への考慮は後回しとなっている果樹園も多いのではないでしょうか?
高温や天敵の減少により増加するハダニ類の対策としては、薬剤防除(殺ダニ剤)に頼るほかありません。
増えた分の薬剤防除(殺ダニ剤)について、ハダニ類が耐性を獲得してその後の防除に影響を残さないよう、殺ダニ剤の中でも異なる系統(異なる作用機構分類)を用いる。耐性を獲得しないと考えるアカリタッチ乳剤などの気門封鎖型の薬剤を使用するなどの対策が必要となります。
ハダニ類の天敵であるカブリダニ類に対する影響については、
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殺ダニ剤の種類や効果については、
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