梨の果樹園農家による梨の育て方や病害虫に関する防除。使用する農業機械のメンテナンス。ナスやきゅうり等の家庭菜園の園芸方法など、農業に関する作業方法や管理方法、また果樹園を管理するための防風林等の農業設備等を日々の作業に合わせて詳しく紹介しています。

梨の秋季防除。近年の高温は収穫終了が早まり、落葉は遅れるため防除実施時期の調整が必要です。


 2026年の梨の収穫が終了し、来年に向けた越冬菌対策である秋季防除の時期となりました。
 以前であれば収穫終了直後から開始して、2週間程度の間隔で計3回実施する防除作業。しかし、近年は高温により収穫時期が早まり早く収穫を終える一方、気温が下がらないことから落葉が遅れることがあります。
 最後の防除作業の薬剤効果が残るうちに落葉が完了するためには、実施回数を増やすか実施時期を調整することが必要です。

 秋季防除の主な目的は、越冬する害虫の駆除と、黒星病の越冬菌を防ぐことです。
 10月となり気温が下がると、夏の高温で感染が停止していた黒星病の感染が広がり始めます。
 黒星病の感染適温は平均気温15~21℃。気温がこのラインになると、葉の裏に煤のような薄い黒色の病斑(秋型病斑)となって現れます。
 この秋型病斑のある葉は、落葉してもそのまま越冬して翌年の春に胞子を飛散させる感染源となります。
 また、雨により秋型病斑のある葉を伝った水は、新梢にある葉芽や花芽にある露出した鱗片生組織に感染して越冬します。
 これらことから、気温が感染適温にならなければ秋季防除の開始は必要なく、鱗片生組織の感染を防ぐためには秋型病斑のある葉が残る(落葉する前)間は秋季防除の効果が続くことが重要となります。
 昨年(2025年)では、11月になっても気温の低下が緩やかで最後の秋季防除から落葉が完了までかなり期間が空きました。
 この失敗を踏まえ、本年(2026年)は収穫終了は2026年と同じですが最初の秋季防除を1週間遅らせての開始としました。
 今後の気温で落葉時期が変わるでしょうが、気温の変化に注視して最適な時期に秋季防除を完了出来るようにしたいものです。
秋季防除について詳しくは、
果樹栽培ナビ > 梨の病気被害と対策 > 黒星病 > ナシ黒星病対策専門資料
 > ナシ黒星病の秋季防除