スピードスプレーヤーによる薬剤散布は、走行した上方への付着が少なく、隣合う列の葉の表面への付着が多くなることに注意が必要です。
スピードスプレーヤーを使用した防除では、作業の実感と異なり走行経路直上への薬剤付着が少なくなります。
これを知らずに防除作業を行っていると、気付かづに薬剤散布斑を発生させているため十分な薬剤効果を得ることが出来ていません。
しかし、内容は縦横に走行をするなど、具体的にどこに薬剤散布斑が発生し易いかは誰も教えてくれません。少なくとも私の地域ではそうです。
色々確認してみると、薬剤散布斑が発生し易い箇所の一つがSSが走行した経路の直上。
作業実感から一番薬剤がかかっていそうな箇所が薬剤付着が少ないという盲点があります。
その原因として、
・真下から送風機で吹き上げられる散布の為、葉の裏面に偏りがおきること。
・葉の表面は葉の裏面が影となることで付着し難いこと。
・SSからの距離が近く、強風域と重なることで薬剤が定着しないこと。
これらの要因が重なり、一番多くの薬剤が吹き付けるにも関わらず、薬剤付着量は少なく、また付着斑も多く発生します。
この話を聞いても俄かには信じ難い話です。
これを確かめる方法として、目視し易い薬剤を使用して使用後を確認することが出来ます。
目視し易い薬剤として、管理人は既に廃盤になったユニックスZを使用して散布後の付着状態を確認してみました。
ユニックスZは薬剤が白く付着するため、葉や幼果に対する薬剤付着が確認し易かったです。
残念ながら既に廃盤となっため、これから確認する薬剤としてはオキシラン水和剤を使用すると確認し易いかと思います。
薬剤の散布斑防止には、作業実感などの感覚に頼らず、作業後の薬剤付着状況を確認する。
薬剤付着特性を把握しておくことが重要です。
これを知っているのと知らないのでは、防除効果に大きな違いがうまれます。
特に深刻な黒星病に対する防除において、過去の実体験からスピードスプレーヤーによる防除で非常に重要である。ということを申し添えておきます。
詳しくは、果樹栽培ナビ > 梨の病気被害と対策 > 黒星病 > ナシ黒星病対策専門資料
> スピードスプレーヤーの散布方法