梨の果樹園農家による梨の育て方や病害虫に関する防除。使用する農業機械のメンテナンス。ナスやきゅうり等の家庭菜園の園芸方法など、農業に関する作業方法や管理方法、また果樹園を管理するための防風林等の農業設備等を日々の作業に合わせて詳しく紹介しています。

梨の尻から茶色の水が出た物は、内部から腐敗する病気です。鮮度に関係なく腐敗し、収穫時に判断することができない欠陥です。


 梨の幸水の収穫が最盛期です。

 この時期、販売店や贈答等の箱を開封したとき、稀に梨の尻に茶色の水が溜まった製品が混じることがあります。

 この症状は、梨の花や幼果の時に感染し、果実が熟して収穫後の1~2日後に症状が現れる、芯腐れ症と呼ばれる内部から腐敗する病気によるものです。


 梨のお尻から水が出ている梨は、芯を中心に茶色に腐敗しています。

 この症状、残念ながら本職でも販売前に症状を判断して完全に除去することは困難です。

 多くが収穫後半日から1日で現れるため、出荷して店頭に並んだ頃や、発送後に開封した頃に水が出ているものが混じることがあります。

 直売等で収穫日当日に販売する場合、

 症状が現れる前のため、大変申し訳ないながらも販売した物に混ざることが度々あります。

 鮮度が良い状態で販売するから、内部が腐敗した物が混ざる。

 本職にとって、なんとも皮肉で非常にこまった症状なのです。

 直売等で購入した製品に混じっていた場合、申し出れば多くの直売所が対応してくれると思います。

 中には申し出てることに抵抗のある人もいるかも知れません。

 しかし、本職では芯腐れ症の発生について、

 年毎の傾向。

 発生する梨の品種。

 梨の収穫時の状態。

 収穫後の状況。

 など、一個一個の単体で判断することができなくても、購入日を確認するだけで混じる可能性の大小は把握できているものです。

 ですので、本当に混じっていたとき、申し出ても不快な思いをすることがないと思います。

 申し出てあからさまに態度が変わったのであれば、違う問題があるように感じます。

 購入場所を選ぶ権利は購入者にあるので、それまでのお付き合いというだけで購入者が気にする必要など本来はないのです。


 本職の気持ちとしては、率直に本当に申し訳ない。

 でも判らなかったんです。あんまり責めないでね。また宜しくお願いします。

 という感じなのです。


 残念ながら芯腐れ症が混じっていた場合、販売側のそんな事情もあるわけでして、申し出てもらえば、梨は腐ってたけど、後腐れなく解決したいのです。

 P.S 当果樹園をはじめ、多くの梨生産者はこの症状の梨が発生しないよう、様々な努力をしていることを申し添えておきます。

 

梨の芯腐れ症については、

果樹栽培ナビ > 梨の病気被害と対策

芯腐れ症