ブースターケーブルをつないでもエンジンが始動しない。などの主なトラブルを紹介しました。
ブースターケーブルを正しくつないでもエンジンが上手くかからないことがあります。
多くはブースターケーブルが細いなど様々理由による電流不足によるものです。
ブースターケーブルを使用しても、故障車側のバッテリーがかなり弱っているとそのエンジン始動の難易度はかなり高くなります。
このような場合の主な失敗原因としては、エンジン始動にかかる瞬間的な電力の殆どをブースターケーブル頼りになることで、ケーブルからの電力が不足するためです。
ブースターケーブルの規格が正しくても、接続するケーブルのワニ口の接点は点(2点~4点でのみ端子に触れている)となります。
このため、大きな電流が流れる時、接点がボトルネックとなるため、一度に流れる電流はケーブルの太さに対して少ないものとなります。
この状態を解消するためには、
・ブースターケーブルをより太いものにする。
・ワニ口の接点を見直す。
・故障車のバッテリーへの補充電をしっかりと行う。
・エンジン始動時、救援車のエンジンを吹かす。
・ブースターケーブルを2本並行につなぐ。
などなど、故障車のエンジン始動時に十分な電力が供給されることが重要です。
ジャンプスタートの作業手順は簡単なのですが、実際にやると意外に難しいことも多々としてあります。
特に故障車側がディーゼルエンジンだと失敗し易いように思います。
追加した内容:
ジャンプスタートの主なトラブル
ジャンプスタートの主なトラブル
①故障車のエンジンがかからない
①-1原因:ブースターケーブルが細いことによる電流不足。救援車からの出力不足など。
対策:故障車への充電時間を長くし、エンジン始動時のブースターケーブルと救援車の負担を軽減する。ブースターケーブルの予備ある場合、更に同じように追加して接続する。
ブースターケーブルを大きいものにする。救援車を出力を大きいものに変える。
②-2原因:ブースターケーブルの断線、接続部(ワニ口)の接触不良など。
対策:ブースターケーブルの交換。接続部(ワニ口)の点検し、接続部が白化していれば白化部を削る・磨く。
②グリップやケーブルが異状発熱する(被覆が溶けるなど)
②原因:ブースターケーブルの容量不足。被覆内部で銅線が腐食や一部断線しかかっている。
対策:容量の一回り大きい規格のものに変更する。
仕様したブースターケーブルの容量が十分である場合、被覆内部の腐食や断線であると判断し新しいものと交換する。
③ブースターケーブルを外すと故障車のエンジンが止まる
③原因:ディーゼルエンジンはアイドリングでも常にバッテリーを必要とします。バッテリーや発電機が故障していると、ブースターケーブルを外すとエンジンが止まります。
対策:原因がバッテリー本体と断定できるのであればバッテリー交換を行う。自身で判断出来ないのあれば、ブースターケーブルによる復旧をあきらめ業者等に修理依頼を行う。
④救援車のエンジンがかからない
④原因:故障車に対してブースターケーブルを接続したことで救援車自身が電流不足のため始動できなくなった。
対策:ブースターケーブルを外して始動する。救援車には一回り大きい車両を用意する。一回り大きい車両がない場合、エンジンをかけた状態でブースターケーブルを接続し、作業を行う。(正規手順では安全のためエンジンを停止して作業することが基本です。エンジンをかけた状態での作業は危険のため真似しないで下さい。)
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