梨の果樹園農家による梨の育て方や病害虫に関する防除。使用する農業機械のメンテナンス。ナスやきゅうり等の家庭菜園の園芸方法など、農業に関する作業方法や管理方法、また果樹園を管理するための防風林等の農業設備等を日々の作業に合わせて詳しく紹介しています。

ハマキムシ類は多発すると駆除する薬剤が効き難いため、成虫や幼虫の発生初期の薬剤防除が重要となります。

ハマキムシ駆除薬剤
 5月となり気温が温かくなると様々な害虫が発生しますが、その中でも一度多発すると駆除が難しく、駆除を行っても大きな影響(被害)を残す害虫にハマキムシ類があります。
 ハマキムシ類の幼虫は葉や花弁を綴り合わせて隠れるため、薬剤を散布しても直接かからなため駆除し難い。
 葉や果実だけでなく新芽等にも食害を与えるため、被害が翌年にも残るため注意が必要です。

梨の芯腐れ症に対する薬剤防除の時期。ベンレートやデランを用いることで発症数を減らすことが出来ます。

梨の芯腐れ薬剤防除
 梨の収穫時期に発症して農家を悩ませる芯腐れ症。感染時期や効果的な防除時期について原因となる菌や研究結果によって若干の違いがあるものの、開花から幼果期にかけてが薬剤防除の時期とされています。また、幼果期に降雨の多い年には発症数が増加する傾向にあります。
 5月上旬は開花からの防除作業に加え、ベンレート水和剤やデランフロアブルを用いることで発症数を減らすことが出来ます。

カスケード乳剤は製造中止ではありませんが、メーカー欠品状態。製造再開は2026年以降らしい


 ハマキムシ類、ヨコバイ類、スリップス類、ハモグリバエ類などの防除に使用するカスケード乳剤が多くの販売店で欠品状態が続いています。
 メーカー欠品によるもので製造停止とのことで、真偽の確認ができていませんが製造再開は2026年以降となるらしいです。

デランフロアブルは梨の芯腐れ症と黒星病に効果があるため4月から5月の防除に適しています。

 デランフロアブルは使用時に皮膚かぶれの恐れ。価格が高い(スピードスプレー1車500リットル当たり3500円程)など、黒星病の殺菌剤として考えた時使用し難い薬剤です。
 しかし、幸水梨の栽培では出荷時期に悩まさる芯腐れ症に大きな効果が期待できます。

デランフロアブルとマシン油剤を混用すると耐雨・残効性が向上し黒星病に対する防除効果が高まる。

 蕾も膨らみ前日より春の防除を開始しました。当果樹園の地域で春先の防除開始頃に使用する機会の多い薬剤の一つにデランフロアブルがあります。
 デランフロアブルを春先に使用する時、発芽前の使用であれば単剤で使用するよりもカイガラムシなど難害虫の駆除を目的としたマシン油剤と混用することことで黒星病に対する防除効果が高くなります。