梨の果樹園農家による梨の育て方や病害虫に関する防除。使用する農業機械のメンテナンス。ナスやきゅうり等の家庭菜園の園芸方法など、農業に関する作業方法や管理方法、また果樹園を管理するための防風林等の農業設備等を日々の作業に合わせて詳しく紹介しています。

スコア顆粒水和剤が黒星病に対する効果が低下したことから当果樹園での使用を終了。今後、同一成分を含むアクサーフロアブルに変更します。

 梨の難病である黒星病防除では、耐性菌の発達による既存の薬剤での防除効果が大きく低下し深刻な問題となっています。
 従来、特に大きな防除効果があったDMI剤である主成分ジフェノコナゾール水和剤のスコア顆粒水和剤における防除効果は深刻であり、地域差はあるものの当果樹園でも近年では明らかに効果が低下していました。
 このため、チオラム剤(チオノック・トレノックスフロアブル)やイミノクタジンアルベシル酸塩水和剤(ベルクート水和剤・フロアブル)による混用により防除効果を維持していました。しかし、混用による運用にも限界を感じることからスコア顆粒水和剤の使用を終了することとしました。
 今後は、スコア顆粒水和剤の成分のフェノコナゾール水和剤とゼミウム(成分名:フルキサピロキサド)の2剤が混合されたアクサーフロアブルに変更します。

スプラサイド水和剤・乳剤が製造中止。代替品では有機リン剤などの選択肢があります。

カイガラムシ
 カイガラムシ類に特効薬として長く愛用されたスプラサイド水和剤・乳剤。メーカーが撤退後もJAが権利を取得して製造が続いていました。
 しかし、既にメーカの販売は終了し本年2023年10月をもって有効期限が切れて完全に終了となります。
 スプラサイドの代替品としては、エルサンやスミチオン等が効果が期待できます。

チェーンブロック三脚は三脚とチェーンブロックを分けることで、設置し易く大きな力を得ることが出来る吊り上げ装置です。

チェーンブロック三脚の使い方
 チェーンブロック三脚の三脚部分は材質により差がありますが、一般的な単管パイプを使用したものでも一人作業で設置できる程度の重量です。
 また、三脚の特性により狭い所や凹凸がある所など様々な場所に簡単に設置することが出来ます。簡単かつ軽量ながらも正しく設置することでその耐荷重は大きく、チェーンブロックを組み合わせることで非常に大きな力を加えることが出来る吊り上げ装置となります。

果樹棚の棚線が錆びると果実への汚れや傷の原因となるだけでなく、強度が低下するため錆を除去するなどの補修を行います。

錆びた棚線(針金)の修理
 果樹用の防錆がされた亜鉛メッキが棚線であっても、経年劣化により徐々に錆が発生します。特に果樹園全体でみると資材の違いか施工に問題があるのか極端に錆びる箇所が発生することがあります。
 錆の原因を特定し除去することで錆の進行を遅らせることが出来ますが、一度発生した錆は徐々に悪化するため錆を除去して防錆を行うことで棚線を長持ちさせることができます。

小張線は強く張り過ぎると不必要に周囲ワイヤーに負荷をかけるため必ずシメールなどの張線器を使用する必要はありません。


 果樹棚に細かく張る小張線は数も多く間隔も狭く張ります。小張線1本当たりの長さにもよりますが、全ての線にシメール等の張線器を使用すると手間がかかるだけでなく、固定する周囲ワイヤーへの負荷が大きくなることでアンカーの浮き上がりなど全体の緩みに繋がることもあります。
 このため、周囲柱の間隔や線の長さなどを考慮してペンチ等の梃の力で張れる強度で十分な場合が多いです。